SUIRYO 翠陵 vol.82
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一緒になってひたすら人参を掘った経験などで信頼関係を築けたことは、9月の活動でも頼もしい力になったと思います。被災した側でもありますが、同じボランティアの担い手として現地の大学の方々との交流もかけがえのないものになったのではないですか。川口 九州ルーテル学院大学には、本学教員とのつながりから、大学自体が避難所になっていて被災者のケアにあたっておられたにもかかわらず、無理を言って宿泊させていただきました。SNSで連絡を取り合いながら大学に届いた救援物資を必要とされる場所に必要なものを運ぶ九州ルーテル学院大学の学生たちの姿には感動しました。また、全国を結ぶ災害ボランティアネットワークの加盟団体になっていた熊本学園大学とも活動をともにすることができました。大西 被災地の学生でもありながら東北にも足を運んだり、学生のうちにやれることを精一杯考えてボランティア活動に向き合う彼らの姿勢は見習いたいと思いました。阿蘇神社再建までは6年の歳月を費やすと聞いたので、その日まで阿蘇神社門前町商店街を見守ろうと決心し、卒業後も同窓生として息の長い支援活動をしていきたいと思います。支援活動も長いスパンで考えればハード面からソフト面への支援へと変わる時期もあるはずなので、人間心理学科※所属の私としては被災者の心のケアなど、大学での学びを活かした支援ができないものかと考えています。他にも神戸学院大学では、現代社会学部の社会防災学科が被災地派遣時に先遣隊を編成して被災地にいち早く入り活動していますが、それぞれの学生たちが、学部の特色を活かしてボランティア活動にもっと参加してほしいと思います。頃安 私の所属する栄養学部でも、災害等の非常事態により通常の食糧供給が困難になった時のための「災害食」を研究している先生がいらっしゃいますし、アレルギーを持つ子どもへの食事や栄養補給のケアなど、栄養学の分野で貢献できることはたくさんあるはずです。何が必要か考え、実行することは自分自身の勉強にもなり、長期的な活動として、展開できる気がします。また、ボランティア活動に係る経費を支援する仕組みがあれば、今よりももっと活動に参加する学生が増えると思うので、助成制度なども検討してもらえるとありがたいです。冨岡 高い確率で起こりうる南海トラフ地震を考えると、より具体的な活動が必要だと思います。神戸学院大学は災害時の指定避難所になっていますが、学生が自発的に参画する避難訓練が実施されていません。万が一の際には重要な拠点となることが想定される本学にとっては緊急の課題だと考えて、訓練の実施案をボランティア活動支援室に提出したところです。村井 同窓生としては、被災地支援や学生へのサポートなど方法論や細部について各支部が連携して情報を共有していく必要があります。災害発生時に被災地もしくは被災地に近い支部の同窓生に連絡を入れると、学生ボランティアを受け入れる体制が整い、より迅速で的確な活動が行える、というのが今後のボランティア活動支援の要になると思います。松尾 知恵と経験、人脈や資金面で、学生にいろんなサポートができるのが私たち同窓会です。持てる時間と体力を頼りにボランティア活動に飛び込んでいく後輩たちを、同窓会で作る柔軟なネットワークで受け止めたのが、今回の活動です。そして、私たちがサポートした彼らを、経験を積んだ頼もしい同窓会会員として迎え入れる日がやってきます。そうやって繰り返し途切れることのない継続性も同窓会の大きな強みではないでしょうか。「いざという時に役立つ同窓会」であるために5SUIRYO 82九州ルーテル学院大学の学生と現地で活動※2018年新入生より、人文学部人間心理学科は心理学部心理学科に改組 会員同士の親睦を図りながら母校の発展に寄与する、それが同窓会としての変わらぬテーマです。 全国の同窓生が、日頃から、生きたネットワークを構築し情報を共有しながら、「いざ」という時に力を発揮できるようにすることが重要です。 同窓会は、これからも、「神戸学院大学」発のボランティア活動の一層の興隆に向けて、その支援に積極的に取り組んでまいります。

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