SUIRYO 翠陵 vol.82
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8SUIRYO 82Message気づきとともに出会えた、「自分らしい自分」 さまざまな学問体系に接する機会を得て、キャンパスの内外でいろいろな経験を積むことができたこの4年間。実感したのは、世の中にはいろんな考えや見方があるということでした。比較的似ていると思える自分たち学生同士でも、討論する中で出るのは、さまざまな考えに基づいた多種多様な意見です。答えが一つではないところは、まさに社会学の醍醐味!それこそが社会学を学ぶ面白さだと気づきました。同時に、固定観念にとらわれることなく、柔軟に物事を受け入れていくことが相手を尊重することにもつながり、やがては自分の成長にもつながることを教えられました。今後、社会人として働くうえで、自分と違った状況やスタンスを持つ方々と接することが多くあると思います。どんな人に対してもまず耳を傾け、ありのままに受け入れ、尊重していける人でありたいと考えます。 自分たちが暮らす社会について絶えず考えてきたのは、「今どういった状況なのか」「何が必要なのか」といったことでした。ホームレスの若者を扱ったドキュメンタリーを題材にした「現代生活論」の授業では、人生の8割から9割を占めると言われる労働について深く考える機会になりました。労働は、人が生活していくための物質的豊かさを得ると同時に、自分が必要とされていることで働きがいを見い出し、人が生きていくための生きがいとなるほどに、かけがえのないものであることに気づかされました。卒業後は「労働行政」を担う厚生労働省の労働局で、学んだことすべてを糧にして社会人としてこれからの道を歩んで生きたいと思います。現代社会学部・現代社会学科2018年3月卒業髙橋 日向子さんMessage教訓を糧に、学びの成果を明日への力に代えて 社会防災学科を選んだのは、自分が生まれる以前に起こった阪神・淡路大震災について両親から聞いたことや、東日本大震災の実態を映像で知ったことがきっかけです。災害が起こった際には、自分が家族や周囲の人を守りたい、そんな確かな思いに自分自身がはっきりと気づいたからでした。 入学後は、防災・減災の基礎的な知識をはじめ、現状と課題について学ぶことはもちろんのこと、企業や行政、NPO団体と連携した実習がありました。なかでも、防災や福祉、ボランティアといったテーマのもと、学生が中心となってチームで取り組み、一定の成果を出すことを目標とした「プロジェクト型実習」で多くのことを学びました。 被災地支援活動として、東日本大震災で傷ついた写真の修復作業に携わったこともありました。家族写真も多く、ボロボロで、海水で色落ちしてしまったものを、思い出のひとときを残す大切な写真として蘇らせるお手伝いができました。消防学校での訓練に参加した1年次生の実習に始まり、本当にさまざまな機会を学びの場にできた充実した4年間でした。 卒業後は、行政職員として地元の教育に貢献できればと思います。級友たちには警察や消防という、社会の安全と平和にかかわる職種に採用が決まった者が多くいます。社会人としてのスタートはそれぞれ違っていても、社会防災学科で学んだ者として、数々の教訓を新たな災害に立ち向かうための力に代えていきたいと思います。現代社会学部・社会防災学科2018年3月卒業宮川 匠さん

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