SUIRYO 翠陵 vol.83
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女性のキャリアとライフスタイルを支援する女性誌『日経WOMAN』(日経BP社)が選ぶその一年で各界において最も活躍した働く女性に贈られる「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018」を受賞された薬学部卒業生の末延則子さんに、学生時代の思い出から今回の受賞にいたるまでの道のり、そして現在の様子を語っていただきました。(取材:同窓会広報企画委員会 ポーラ化成工業本社にて)サイエンスの本質に触れ、研究者としての基礎を培った学生時代待ち望んでも得られなかったものが遺伝子工学によって生み出されることに感動していたのが高校生の頃。薬学部への進学を決めたのも、難病治療など、世の中に役立つ可能性を秘めたバイオテクノロジーや医療について学びたいという思いからでした。大学では「この講義で話すことは、明日には間違っているかもしれない。免疫学は、毎日、急速な勢いで進んでいる」と話された眞弓忠範先生(現:名誉教授)の授業が最も印象的でした。サイエンスは受け身ではなく、自分で考え切り拓くことだと知った瞬間でした。神戸学院大学では、一定の真実に触れることのできる哲学や西洋文学を学ぶことの楽しさを経験する一方で、専門科目で教科書に載っていることはすでに真実とは限らないと教えられたことにとても驚くと同時に、大学で学ぶことの醍醐味にも気づけた気がします。社会人となりアートを通して、サイエンスの本質に迫る個性の際立つ芸術家たちが互いの個性を尊重しながら新しいものを作っていく姿は、研究者とも重なります。「研究者同士の個性のぶつかり合いが、新しい価値や知見を生む」とノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典先生もおっしゃっていました。「POLA美術館」で会議をしたり、会社のビジョンを自分なりに絵にして社内掲示したりと、我が社もアートに学ぼうとしています。真実や本質を見つけるきっかけにアート的な要素が役割を果たすことが実際にあり、透明感あるファンデーションの開発に点描の手法が活かされたこともあります。喜ばれることに喜びを技術畑にいた創業者が手の荒れている奥様のためにクリームを作ったことを発祥とするPOLAは、2019年で創業07SUIRYO 83「同窓生NOW!株式会社ポーラ・オルビスホールディングスグループ研究・薬事センター担当 執行役員マルチプルインテリジェンスリサーチセンター所長医学博士1989年・薬学部卒末延(福山) 則子さん「シワを改善する」という日本初承認の薬用化粧品の開発で、2017年最大のヒットコスメを生み出す。逆境でも諦めずその信念を貫き、高いモチベーションを維持しながら、成果をあげる強いチーム作りとリーダーシップが評価され、ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018(日経BP社)の大賞を受賞。すえのぶのりこふくやま「美しさ」は永遠のテー 「美しさ」は永遠のテー ウーマン・オブ・ザ・イ日本初承認 シワ改善 自分の肌に触れ、鏡を見て笑顔になれるなら。その笑顔 自分らしく生きること。きのうより今日、一日一日を大

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