SUIRYO 翠陵 vol.85
13/28

12SUIRYO 85バンク』と名付け、いろいろなところに壁画を描いたりイベントを行うようになりました。有名なイタリアンのお店からフレスコ画の依頼を受けた際には、その作品の自信のある出来栄えから作品をメインにした広告を全国紙に出しました。キャッチフレーズの「わかりました。なんとかします」も響いたようです。全国にあるダイエーフードコートのオブジェを手がける頃には、日本中至るところから依頼が舞い込むようになり、ビジネスとしての確かな感触を得たのもこの頃でした。幾多のピンチをその都度チャンスに変えて阪神・淡路大震災は、事業面でも足元を揺るがす一大事。取引先の倒産があり、負債を背負うことになりました。しかし、「捨てる神あれば拾う神あり」のごとく、元請けであるゼネコンから直接大量発注をいただけるようになり、負債があったにもかかわらず、その年は黒字決算。信じられない乱高下を体験しました。それからは業績も順調で、2001年オープンのユニバーサルスタジオジャパンでは1年半かかってハリウッドエリアとジョーズコーナーのアートペイントを担当。数十人のアート職人を毎日送り込み過去最高益を上げました。ターニングポイントともなったのが2011年の東日本大震災。仕事のキャンセルが多発するうえに、エースとして制作の中心を担っていた女性スタッフが産休に入ったことで、大きな決断を迫られることになりました。私はまったく絵は描けません。落ち込んでいた矢先、東映さんから戦隊物のトリックアート十数点という大きなオファーが…。悩んだ挙句「禁じ手」でもあったCGに切り替えました。それが大当たり。絵を描くことに比べて1/3程度に価格を抑えることができたため代理店や大手メーカーからもどんどん注文が入るようになりました。 アートの工房から「アートでプロモーションする会社」へ 現在はインスタ映えするトリックアートが当社の一番人気。日本だけでなく世界中からもご注文をいただいています。我々が作るトリックアートの特色としては、空間を演出し遊んでもらい楽しんでもらうのは勿論ですが、一般的にお客様が看板を写真に撮ることはまず無いのですが、面白いアートだと一緒に撮りfacebookやTwitterに投稿して頂けます。そのSNSを通じてお客様以外の第三者がサービスを知り、興味を持ってもらうプロモーションに繋がるように企画デザインさせて頂いています。おかげさまで大手代理店はじめ大手企業からオファーをいただき、商品や施設をアートでアピール、プロモーションさせていただくようになりました。その流れで2020年、アートライフは30周年を機にリニューアル。「アートでプロモーションする会社」へと、生まれ変わりました。コンセプトは「アートライフ!一緒にワクワクしよう。それは、自由な表現であり、愛」。今なら「コロナ禍におけるARTの提案」や「アート・デザインで地域活性」とか「ホスピタルアート」などなど…。ARTの可能性は無限です。 ~日本中に、世界中に「アートライフ」の作品~ 有限会社アートライフ起業してもう30年です。これからは違うジャンルの人たちや企業とコラボレーションして何か新しいイノベーションを起こして行きたい。そして「アートのビジネスの仕方」「どうすれば起業できるか?」など私の知識やスキルなどを学生の皆さん始め、様々な人達に伝えていく事も大事だと思います。■有限会社アートライフ    www.artlife.co.jp会社紹介Company introductionYAMAHAプロモーション用ART壁を使った3DトリックアートFRP製オブジェ

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る