SUIRYO 翠陵 vol.86
16/28

教員の話題15SUIRYO 86大学の取り組みコロナ禍でのUNIVERSITY INITIATIVES IN CORONA東京オリンピック2020で「お家芸」の柔道競技は日本選手のメダルラッシュにわきました。総合リハビリテーション学部理学療法学科の大久保吏司講師が理学療法士として7月24日から9日間、会場の日本武道館で柔道競技のメディカルスタッフを務め、医師や看護師らと共に医療チームで選手のケアやけがの防止にあたりました。大久保講師の専門はスポーツ障害、スポーツでけがをした人のリハビリです。柔道の心得があることから全日本柔道連盟からの要請を受け、世界選手権などの国際大会でもメディカルスタッフを務めました。今回は「eラーニング」での研修を何度も受けました。コロナ禍の五輪は感染防止の「バブル方式」となり、大久保講師も試合会場とホテルの往復以外は一切外出せず、会場では毎日PCR検査を受けました。マットサイドのドクター席に待機。試合で選手が出血することも多く、マット(畳)に血が付くと、医療用手袋をして、ふき取り消毒にあたりました。肘などを脱臼した選手を医務室へ担架で運ぶこともありました。痛めた部位や体をクールダウンする「アイシング」を求める選手も多くいました。英語を話さない選手もいて言葉が通じず、「飲み物はどこでもらえるの?」などの質問をされると、身振り手振りで何とか対応したと言います。重要な裏方を務めた大久保講師は「多くの報道用カメラが配置されていて、緊張しました。けがの処置をするのは医師で、私たちはそのサポート。理学療法士の専門知識や技術を生かしてボランティアとして予選から決勝まで競技を支えることができ、やりがいを感じました」と、話していました。総合リハビリテーション学部の大久保講師が東京オリンピックにメディカルスタッフで派遣柔道競技の会場となった日本武道館前に立つ大久保講師メディカルスタッフを務めた大久保講師(左から2人目)

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る