SUIRYO 翠陵 vol.87
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データサイエンスは、新しいようで新しい分野ではありません。人の購買行動や行動履歴等のパーソナルデータ、気象データやインターネット上の文字情報や画像情報等、私達の活動で生み出される大量のデータのデータの扱い方だけでなく、データとのかかわり方もがデータサイエンスと言えます。今やデータを扱わない企業や自治体はありません。デジタル技術と共に社会はどんどん変化していき、クラウドサービスの利用が当たり前になり、コロナ禍の対応策として大学ではオンライン授業を提供するようになりました。キャッシュレス化も進んでいて、近頃では子どもがお店屋さんごっこをする際にもPayPayなどのモバイルのQR決済サービスが登場し、昔のようにお釣りのやりとりをすることがなくなっているそうです。そんな社会の変化に、私達もしなやかに対応しなければなりません。統計、人工知能(AI)、データ分析やその他の科学的手法を活用し、データから新たな価値を創造するデータサイエンスという学問は、今や文系・理系の枠を超えて、すべての大学生に必要なアカデミックスキルとして社会から必要とされる素養になっています。1年次生では、データを扱うための基礎的なことを学びます。数学、統計学、プログラミングなどの知識を身につけると共に、データの内容を理解する力、必要なデータを選んで分析して解釈もできるデータリテラシーをしっかりと身につけてもらいます。2年次生では、学んだ知識を使ってデータ処理や分析などの実践を。3年次生からは、より高度な学びへと移りますが、データサイエンスと併せて、これまで培ってきた経営や会計の基礎から応用などビジネスに欠かせない経営学の知識も体系的に履修できるようにカリキュラムを組んでいます。日本人は個人情報を預けることに対してハードルが高く、街中でアンケートをお願いしても答えてもらえないのが普通です。企業がデータの取扱いについて考えたときに、「この人なら我々の大事なデータを預けても大丈夫」と思えるような人材を育てたいと考えています。また、データを集めることは簡単ではない。だからこそ、集めたデータはとても貴重なものだということを学生にはわかってほしい。また、せっかくデータを集めてもそれだけでは何も語ってくれません。データは活用して初めて、2023年4月 経営学部がデータサイエンス専攻を開設これからの社会では、全ての産業でAI・データが活用され、あふれかえる情報の中から自分たちに価値ある情報を探し出し、加工することが重要になっていきます。本学経営学部データサイエンス専攻では、データに基づき、ビジネスの現場で新たな価値創造の担い手となる人材を育成していきます。経営学部 教授小川 賢 先生09SUIRYO 87PROFILE神戸学院大学経営学部教授。情報セキュリティポリシー、大学や企業等の情報セキュリティ対策を行うための組織や制度などのルール作りについての研究が専門。令和2年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞受賞。国立情報学研究所客員教授も務める

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