SUIRYO 翠陵 vol.87
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法学部法律学科1988年卒寺村 洋子さん祖父母が校祖・森わさが設立した森学園の教師であり、実家で見つかった数々の資料を本学に提供。経済学部経済学科1986年卒前畑 佳史さん神戸学院大学同窓会 京都滋賀支部 支部長を務める。寺村さんの個人展示会に感銘を受け、京都滋賀支部総会での展示などの支援を提案。左から、前畑佳史さん、寺村洋子さん、事務職員 森岡寿昭さん03SUIRYO 87前畑 寺村さんが森学園関連の資料をたくさんお持ちだと伺ったのは、同窓会京都滋賀支部の懇親会のときでした。寺村 2018年に淡路島にある実家を手放すことになり、荷物の整理をしていると祖父が愛用していた革製のトランクが見つかりました。リサイクル屋に引き取ってもらったのですが、中身だけポンッと床に放り出されていて。それが、祖父母が森学園で教師をしていたときの写真や文書でした。宮島旅行に出かけた写真など、古い写真でも生徒さん達の表情がすごくイキイキしていて楽しそうで。昭和の初めなのに、もう今と変わらない教育が行われているのを知り、感慨深くなりましたね。前畑 寺村さんはご自身で展示会も企画されたのですが、展示されていたのはおじい様が森学園に転職する際の手書きの履歴書や、森わさ先生の娘様や娘婿様が祖父母に書かれた手紙など、学校関係者も驚くほど貴重なものばかり。そこで、第32回京都滋賀支部総会でも展示をし、好評をいただいたので同窓会本部総会でも見ていただき、今回の資料展へと繋がりました。寺村 見つかった資料の中で一番印象に残っているのは、生徒さんが正座をしている写真です。森わさ先生は、心を静め、何事にも動じない信念のある女性になってほしいと、生徒さんと一緒に“静座”をしていたそうです。祖母は森学園の学生で、後に教師として就職したのですが、亡くなるまでずっと“静座”を取り入れるなど、教えを守っていました。寄宿舎で畳一畳のスペースで生活したこと、森わさ先生の優しさと厳しさなど、残された写真を見ると、私の記憶に残っている祖母の話がどんどん繋がっていきました。図書館でも素敵に展示していただきましたが、次は森わさ先生の故郷でもある淡路島で出来ればと思っています。淡路島出身の女性には、偉大な人がいるということを伝えたい。こういう機会が、神戸学院大学は長い歴史に育まれた素晴らしい大学だと、学生や同窓生が母校に対して誇りを持つきっかけになれば嬉しいですね。法人創立 110周年記念「学校法人神戸学院 110年の歴史資料展」の開催をお手伝いいただいた、同窓生の寺村洋子さんと前畑佳史さん。開催のきっかけや、発見された資料についての思い出などを伺いました。HISTORY OF KOBE GAKUINトランクの中にたくさんの貴重な資料を発見祖母が守っていた"静座"。古い写真で記憶が繋がる

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