SUIRYO 翠陵 vol.88
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FUTURE ST RSチームは途中、黄色いベストを着用した誘導役の学生スタッフに出会います。彼らは枝分かれする道で選ぶべき道を示したり、車道に出ずとも走れる安全な道へ案内する役目を担います。さらに、最初のアクテビティ・スポット「八百材舎BASE」に向かう一本道の途中には、学生スタッフ2人が待機する給水所があります。ランナーたちは笑顔で迎え入れられ、給水で一息つき気持ちも新たにして先を目指します。誘導・給水スタッフは、全チームの通過を確認した後は送迎用車両を待ち、新たな役割が待つ次の地点へとそれぞれが向かいます。最初のアクテビティ・スポット「八百材舎BASE」では、トップで辿り着いたチーム「山賊ワイルドラン」が里山林に分け入り、地域の方の指導のもと「間伐伐採」を体験。木を切り倒した瞬間に、「日が差した!」と声が上がるほど、光が地表に差し込むことで、植生の発達を促す間伐伐採の役割を驚きをもって体感することになりました。さらに、事前に用意されていた丸太を受け取り、次のアクテビティ・スポット「木の駅」(NPO法人バイオマス丹波篠山)へと運び入れるミッションを託されます。「木の駅」では、山の木を伐採・集材し持ち込めば、市内加盟店で利用できる地域通貨「里山券」と交換できる仕組みになっていることを知ります。さらには、このアクテビティ自体が、市民の手で森林整備を進める取り組みの一端を担うものであったこと、車に頼らず徒歩で運び込むことが排出ガスを出さず自然に負荷をかけない方法だったことを学びます。この「木の駅」では、チームで運び込んだ丸太と引き換えに地サイダー交換券を獲得、次のアクティビティ・スポットである提携農園の「なちゅらるはーもにー」へと向かいます。提携農園「なちゅらるはーもにー」では落花生を枝から収穫し、枝ごと収穫した黒豆と一緒にゴールに運び込みます。ランナーたちに枝から収穫してもらうための落花生は、学生スタッフたちが株を根本から引き抜いたもの。かなりの力を要したことに新鮮な驚きもあったようで、収穫するということの手応えを体で感じとることができました。次のアクティビティ・スポットである「黒豆の館」(丹波篠山地域活性化センター)では、「木の駅」でもらった交換券で、篠山の蔵元・鳳鳴酒造がつくる地サイダー1本がもらえます。そして、ここでのアクティビティは、その地サイダー1本を飲み干すこと。少し強めの炭酸で甘みを抑えた昔懐かしいレトロ感漂う大人のサイダーをお腹に収めたら、さあ出発!残ったアクティビティ・スポットは一つ、「味土里館」(JA丹波ささやま直売所)を目指します。ゴール前の最後のアクテビティ・スポットとなった「味土里館」(JA丹波ささやま直売所)。ここでも学生スタッフが「おつかれさまでーす!」と元気よく出迎えます。ランナーたちは、用意されている茹で落花生に舌鼓を打ち、水やスポーツドリンクで喉を潤し、最後のランに備えます。一息ついたら、各自1キロのお米を学生スタッフから手渡され、ゴールへと走り出します。学生たちが掛ける「行ってらっしゃーい」の声もここでは一段と元気よく響いていました。公園入り口のアーチをそのままゴールに見立て「山賊ワイルドラン GOAL!」の横断幕を張り、チームの到着を待つ準備の整った大沢1号公園。学生スタッフの「来ました!」の声で、一気に盛り上がるスタッフたち。拍手と歓声で迎えられ、最初にゴールしたチームのメンバーそれぞれの顔もどこか誇らしげに見えます。それから矢継ぎ早に2チームが到着しゴール付近は一気に賑やかに。当日はタイムレースとして表彰、賞品授与を行い総合成績については後日発表されることになりました。ゴール制限時間が刻一刻と近づき、遠方からの参加者は帰途につき始める夕方。ゴール会場のスタッフとしての役割を担った4年次生の城田貫登さんが菊川ゼミ生を代表して「前回は初めてのこともあって、至らないところもありましたが、今回はそれらをクリアにできたように思います。そして、みんなの認識が『丹波篠山=山賊ワイルドラン』となるよう、3、4、5回とこの活動を継続していきたいです」と、疲れも見せず、次回開催に向けての抱負を聞かせてくれました。17SUIRYO 88■足取りも荷も重いランナーを精一杯癒す 学生スタッフ■ランナーたちは山に分け入り、木の伐採を体験■丹波篠山なら山賊ワイルドラン、と誰もが思う 日を目標に

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