SUIRYO 翠陵 vol.88
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08SUIRYO 88な問題。弊社の品質に見合ったコーヒーの確保の難しさを感じています。社会貢献活動のパートナーとしての大学フェアトレードコーヒーの活動を始めるに際して自分が担当することになり、2021年に会社として国際フェアトレード認証を取得、焙煎作業に加えてさらに忙しさが増すことになりました。発展途上国の生産者の支援と自然環境の保護を目指すことを目的に、不公正な貿易や商取引を是正する取り組みを「フェアトレード」と呼びます。産地での原料に始まり輸送から販売に至るまでの一連の流れ、そのすべてで認証を受けて、初めて認証ラベルのついたフェアトレード商品として世に出せるのです。コーヒーだけでなく、紅茶やチョコレートのフェアトレード商品を展開していくなかで、フェアトレードについての周知や理解を訴える活動をされている大学を社会活動のパートナーとして考えていたところ、分かったのはコロナ禍でどこも活動しなくなっていたことでした。その時に、神戸学院大学経営学部の辻幸恵教授が学校内で活動されていたのを知り、こちらからお声がけさせていただきました。2022年には、辻ゼミが継続的に取り組んでいるフェアトレード産品の周知と販売拡大を目的に、当社が販売する商品「神戸珈琲物語」の豆や粉、ドリップバッグ、宣伝ポスター、パンフレットを用いての「Sannomiya Future Market(三宮未来市場)」での展示を実現しました。2022年-23年と「アースデイ神戸」にてブースを合同で出店しました。可能性を感じて大学生たちに明日を託す最近では、他大学からも問い合わせやフェアトレード産品展示への協賛を求められる機会が増え、卒業論文のための取材として大学生の来訪があったりもしました。そんなことで、神戸市長田区に本社を置き、コーヒー豆焙煎・卸売、紅茶・ココア・食品・喫茶材料卸売を業務に、直営喫茶店や直営コーヒー豆専門小売店を展開。国際フェアトレード認証コーヒーで、環境保全や生産者支援を主眼においたコーヒーの販売を推進。「アースデイ神戸」では、本学経営学部の辻ゼミ生と合同でブースを出店しフェアトレードへの理解を訴えました。豊かさ薫る珈琲文化を神戸から株式会社神戸珈琲Kobe Coffee Co.私自身が大学生と直接関わることが多くなり、若い世代に特別な印象を持つようになりました。とにかく、彼らは「熱い!」。知識もあって意識が高く、皆、意欲に満ちているということを知りました。「そこで?その場所で?」と思うところでも平気で活動できるのが大学生たちでした。何人か集まっての力でもあるように思いますが、長机一つでもあればそこでやろうとします。大人なら、企業なら、まずそんなことは考えない、と思いながら感心して見ていたこともあります。彼らから求められれば、教えられること提供できるものを惜しまず協力する気にさせられます。彼ら若い世代には、環境教育での素地ができていて、私たち世代が未来を託すには有望な世代だと気付かされます。同時に、大学での4年間という貴重な時間の持つ意義にもあらためて思いを馳せることにもなりました。

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