同窓生インタビュー
六甲バター株式会社
代表取締役社長
国内No.1から世界一のプロセスチーズメーカーへ
主にQ・B・Bチーズの製造や販売をしている六甲バター株式会社で、全社の目標や方針を決めて、会社が成長発展していくように指揮を執るのが、代表取締役社長としての私の役目になります。「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という経営理念をどう実現していくか。直近では、テレワークやSDGsといった課題に対してどう取り組むかなど、さまざまな課題への舵取りを託されています。 お陰様で、国内ではプロセスチーズのシェアがNo.1となりました。私たちには「世界一のプロセスチーズメーカーになる」というビジョンがあります。これを達成するために海外市場に積極的に進出しようと考えています。また、新商品開発には常に力を入れ続けています。さらなる少子高齢化社会に対応した商品開発、ミレニアルやZ世代など次世代購買層に向けた商品開発にも取り組んでいます。東証のプライム市場に申請したこともあり、より高いガバナンスを構築し、信頼される会社になってまいります。
「開発先導型活力企業」として自ら明日を切り拓く
Q・B・Bには「おいしいって生きること」というブランドメッセージがあります。健やかに生きることに必要なエネルギーをおいしく食べて摂取していただきたいからです。お客様に「Q・B・Bのチーズ、おいしいね!」と言っていただけると大変励みになります。
同じ「おいしいね」でも、「バター、おいしいですね」となると、少し困ってしまいます。弊社では、バターは製造も販売もしていません。実は「バター」のように作ったことのない商品や新事業の開発にはとても苦労しています。弊社は自らを開発先導型活力企業と呼んでおり、これには大変な熱量を持って取り組んでいます。
実は一度もバターをつくったことがないのに、社名に「バター」とある理由については、創業当時に農林省(現 農林水産省)指定のマーガリンを製造し、学校給食に供給していたことと関わりがあります。マーガリンは植物性油脂を原料としています。始まりの地である六甲山の麓で、いつか牛乳からバターをつくりたいという創業者 塚本信男の強い思いが社名には込められているのです。その熱い思いは、「開発先導型活力企業」として今日に引き継がれています。
社名の「六甲」が示す、“いつも、いつまでも神戸で
今は経営者としても、社会や世界の動向を気にせずにはいられませんが、社会と自分とのつながりを意識するようになったのは、やはり大学生の頃でした。大学4年生のゼミは新聞を読み、社会や経済の動向を調べて報告、議論し合うものでした。そのうち社会の全体像や、社会と自分がどのようにつながっているのかが次第に分かってきました。そういった気づきをはじめ、貴重な経験ができたのも大学の4年間でした。
今はコロナ禍ということもあり、学生の皆さんも十分にキャンパスライフが楽しめていないと思います。将来に対する漠然とした不安が私たちの頃より大きいとも。それでも、一度しかない人生です。今だからできることを見つけて取り組んでください。「今こそ絶好のチャンスだ」と思うことができたら、それこそ素晴らしいと思います。 本学栄養学部生と一緒になって神戸マラソンのランナーを栄養面から応援するために、Q・B・B商品を使ったマラソンレシピの作成も2015年から続いています。昨年の4月、緊急事態宣言のさなかではありましたが、「トップランナー特別講義」で講師として講演させていただきました。対面形式を望まれる学生の参加が思いのほか多く、質問も多かったことには感心しました。
このような日々を通して、地元神戸や母校の神戸学院大学を思う気持ちが増していきます。 同窓生の皆さん、私たちは六甲の名が表す通り神戸を中心に活動しています。学生時代を懐かしみ神戸を思い出すとき、神戸で頑張る六甲バターも一緒に思い出していただけると嬉しいです。
同窓会報「翠陵86号」より掲載